

線形代数の基礎となる行列。
これから線形代数を勉強していくうえで行列がどのようなものかを理解しておくことはとても重要です。
今回はそんな行列についてたくさん具体例を交えながら見ていきましょう!
色々な行列を見てみよう
まずは行列の具体例から見ていきます。
行列とは、例えばこのようなものです。
$$\boldsymbol{A} = \left[
\begin{array}{rrr}
-1 & 20 & 3 \\
4 & -5 & 600 \\
\end{array}
\right]$$
なんだか数字が羅列された箱のように見えますね。
これを行列と呼び、特にこの行列は横が2行、縦が3列なので2×3行列と呼びます。
行列では横列を「行」縦列を「列」と呼ぶので、これも合わせて覚えておきましょう。
もう少し例を見ていきます。
例えばこちらは3×4行列の例です。
$$\boldsymbol{A} = \left[
\begin{array}{rrr}
-1 & 20 & 3 & 5 \\
4 & -5 & 600 & 2 \\
7 & 8 & -9 & 11
\end{array}
\right]$$
何となく行列のイメージが湧いてきましたね!
以下のように1列しかないものは『ベクトル』と呼ばれるんですが、実はこれも行列の一部なんですよ。
$$\boldsymbol{A} = \left[
\begin{array}{rrr}
-1 \\
4 \\
7
\end{array}
\right]$$
そして後々詳しく説明しますが、1列しかない行列のことを『列ベクトル』、以下のように1行しかない行列を『行ベクトル』と呼びます。
また、このような行列は1行3列の行ベクトルとなります。
$$\boldsymbol{A} = \left[
\begin{array}{rrr}
-1 & 20 & 3 \\
\end{array}
\right]$$
今は「ベクトルも行列の一種で同じように考えられるんだな!」くらいに考えてもらえれば大丈夫。
このように行列は数字が羅列された箱というイメージで理解していただければ完璧です!
行列の成分の表記の仕方
行列というものについてはイメージが出来てきたと思います。
では行列の中の具体的な数字を取り出すにはどのようにすればよいのでしょうか?
こちらの行列を例に考えていきます。
$$\boldsymbol{A} = \left[
\begin{array}{rrr}
-1 & 20 & 3 \\
4 & -5 & 600 \\
7 & 8 & -9
\end{array}
\right]$$
今この行列には「-1」や「4」「600」などの数字が格納されていますが、これら一つ一つの数字を成分と呼びます。
例えばこの行列の(1,1)成分は-1、(1,2)成分は4、(2,3)成分は600、という具合です。
この具体的な成分の数学的表記としてはこのように書きます。
\(a_{11}=-1\)、\(a_{12}=4\)、\(a_{23}=600\)
aの添え字が成分の具体的な場所、右辺が格納されている数字を表すということですね!

まとめ:ただの数字の羅列だと考えたら簡単
さて、ここまで行列とはどのようなものなのか具体列をたくさん見てきました。
「行列」という言葉だけを聞くとなんだか難しそうなイメージですが、ただの数字の羅列と考えたら簡単ですよね。
そして具体的な成分の表記方法についても見てきました。
まずは行列というもののイメージをしっかり持って学んでいきましょう!