皆さん連立方程式は中学校で勉強したと思います。
今回はそんな連立方程式と線形代数の主役と言ってもいい行列の関係について見ていきます。
実は連立方程式は行列で表せたりと意外と深い関係を持っているんですよ。
ではいきましょう!
連立方程式を行列で表してみよう!
まず初めに連立方程式を行列で表してみましょう。
例として以下のような連立方程式を考えます。
\[
\left\{\begin{align}
3x_1 + 2x_2 & = & 9 \\
2x_1 + x_2 & = & 5
\end{align}\right.
\]
この連立方程式を仮にこのように行列で表してみるとどうでしょうか?
$$\boldsymbol{AB} = \left[
\begin{array}{rrr}
3 & 2 \\
2 & 1 \\
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{rr}
x_1 \\
x_2 \\
\end{array}
\right]
= \left[
\begin{array}{rr}
9 \\
5 \\
\end{array}
\right]
$$
ただし、\(A\)と\(B\)は次のように置いています。
$$\boldsymbol{A} = \left[
\begin{array}{rr}
3 & 2 \\
2 & 1 \\
\end{array}
\right],\boldsymbol{B} = \left[
\begin{array}{rr}
x_1\\
x_2\\
\end{array}
\right]$$
この\(A\)と\(B\)を行列の積で計算してみるとこのようになります。
$$\boldsymbol{AB} = \left[
\begin{array}{rr}
3x_1 & 2x_2 \\
2x_1 & x_2 \\
\end{array}
\right]
= \left[
\begin{array}{rr}
9 \\
5 \\
\end{array}
\right]$$
行列の方程式を解くことと連立方程式を解くのは同じ!
さて、連立方程式が行列でかけることは先ほど示しました。
では、先ほどの連立方程式の解を行列の式に代入してみましょう。
\[
\left\{\begin{align}
3x_1 + 2x_2 & = & 9 \\
2x_1 + x_2 & = & 5
\end{align}\right.
\]
この連立方程式の解はこのようになります。
\begin{eqnarray}
x_1 & = & 1 \\
x_2 & = & 3
\end{eqnarray}
この解を行列の式に代入すると、、
$$\boldsymbol{} \left[
\begin{array}{rrr}
3 & 2 \\
2 & 1 \\
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{rr}
1 \\
3 \\
\end{array}
\right]
= \left[
\begin{array}{rr}
9 \\
5 \\
\end{array}
\right]
$$
そしてこの式の左辺を計算すると最終的にこのようになります。
$$\boldsymbol{} \left[
\begin{array}{rr}
9 \\
5 \\
\end{array}
\right]
= \left[
\begin{array}{rr}
9 \\
5 \\
\end{array}
\right]$$
つまり、\(x_1=1\)と\(x_2=3\)は先ほどの行列の方程式の解ということになりますね。
このことから行列の方程式を解くことと連立方程式を解くことは同じであることが分かります。
まとめ: 行列の実用的な使い道が見えてきた
さて、今回は行列と連立方程式の関係について見てきました!
もう一度内容を振り返っておきましょう。
- 連立方程式は行列で表せる
- 連立方程式を解くことと行列を解くことは同じ
連立方程式との関係性が見えてきたところで行列の応用範囲が広がりましたね!
連立方程式は多くの場面で使われるので、それが行列でも表せるとなると行列もかなり実用的に使えることがわかってもらえたと思います.