今回取り扱う内容は逆行列。
また聞きなれない行列が出てきましたが内容は簡単、普段皆さんが使っている逆数の話と絡めて見ていくとスムーズに理解できるはずです。
重要な行列でもあるのでしっかり学んでいきましょう!
分数における逆数とはなんだったか?
いきなり逆行列の説明から入らずに、まずは逆数のお話から入っていきます。
逆数については皆さん小学校の時に勉強しましたよね。
例えば\(3\)の逆数は\(
\frac{1}{3}
\)、\(17\)の逆数は\(
\frac{1}{17}
\)です。
では、この逆数の性質について見ていきましょう。
元々の数字とその逆数をかけ算してみます。
\[3×\frac{1}{3}=1\]\[17×\frac{1}{17}=1\]
実は逆行列も全く同じように考えることができるんです。
では、この考え方を踏まえて逆行列について見ていきましょう。
逆行列も考え方は同じ!具体例だけ見てみよう
ここからは逆行列の具体例を見ながら、逆行列とはどのようなものなのか見ていきます。
まず、例として以下の行列を考えてみましょう。
$$\boldsymbol{A} = \left[
\begin{array}{rrr}
4 & 2 & 3 \\
2 & 1 & 1 \\
3 & 2 & 3
\end{array}
\right]$$
この逆行列を計算してみると以下のような行列になります。
$$\boldsymbol{B} = \left[
\begin{array}{rrr}
1 & 0 & -1 \\
-3 & 3 & 2 \\
1 & -2 & 0
\end{array}
\right]$$
では先ほどの逆数同様、元の行列と逆行列をかけ算してみましょう。
$$
\begin{eqnarray}
\boldsymbol{AB} &=& \left[
\begin{array}{rrr}
4 & 2 & 3 \\
2 & 1 & 1 \\
3 & 2 & 3
\end{array}
\right]×\left[
\begin{array}{rrr}
1 & 0 & -1 \\
-3 & 3 & 2 \\
1 & -2 & 0
\end{array}
\right]\\&=&\left[
\begin{array}{rrr}
1 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{array}
\right]
\end{eqnarray}
$$
この例からも分かるように元の行列にかけると単位行列になるものが逆行列ということです。
まとめ:かけると単位行列になるものが逆行列
さて、今回は逆行列がどのようなものなのか簡単に見てきました。
もう一度内容を振り返っておきましょう。
- 逆数と元の数をかけ算すると\(1\)になる
- 逆行列も同じ。逆行列と元の行列をかけ算すると単位行列になる
逆行列の求め方は別記事で詳しく解説するので、今回は逆数と逆行列の対応関係がしっかり理解できれば完璧です!