さて、今回は線形写像について見ていきます。
線形写像って聞くと難しそうな名前ですが、実は皆さんが中学校や高校で無意識のうちに学んでいたことなんです。
なのであまり気後れせずに、具体例も交えながらじっくり学んでいきましょう!
1次関数も線形写像の一種!
皆さん中学校で1次関数って習いましたよね?
例えばこのような関数が1次関数なのでした。
\[y=3x\]
これって実は線形写像なんです。
例えば\(x=1\)を\(y=3x\)に代入してみると\(y=3\)が返ってきますよね。
これは\(y=3x\)が\(x=1\)と\(y=3\)を対応付けていると言うことができるんです。
同様に\(x=2\)を代入すれば\(y=6\)が返ってきます。
このように、線形写像はある値とある値を対応付けることだという風にイメージすると理解しやすいです。
今は\(x\)と\(y\)という1変数同士の対応でしたが、大学の線形代数では多変数同士の対応も考えていきます。
これが多変数になったのを線形代数では扱う
さて、では実際に多変数の線形写像について見ていきましょう。
例えば、このような2行2列行列を用意して\(x\)と\(y\)の間にこのような対応関係を用意します。
$$\boldsymbol{A} = \left[
\begin{array}{rr}
-1 & 2 \\
4 & -5 \\
\end{array}
\right],y=Ax$$
ただし\(x\)と\(y\)はどちらもこのような列ベクトルとします。
$$\boldsymbol{x} = \left[
\begin{array}{r}
x_1\\
x_2 \\
\end{array}
\right],\boldsymbol{y} = \left[
\begin{array}{r}
y_1\\
y_2 \\
\end{array}
\right]$$
では、これらの変数たちはどのように対応しているでしょうか?
このように「線形写像は変数と変数を対応付けること」という理解をしておくと変数が増えてもスムーズに理解していけるはずです。
まとめ: 難しそうな名前だが実は単純
さて、今回は線形写像について見てきました。
名前だけ聞くと難しそうですが、具体的にやっていることを見てみると実は単純ということに気がつくのではないでしょうか?
まずは具体例を見ながら何をやっているのかイメージをつかむというのはとても大切なことです。
しっかり理解して次に進んでいきましょう!