今回はベクトルの大きさについて解説していきます。
高校のときに勉強した方も多いと思いますが、大学の線形代数では変数を3変数以上に増やしたベクトルの大きさについても紹介していきます。
難しい内容ではないですが重要なのでしっかり学んでいきましょう!
高校の時のベクトルの大きさは?
まずは高校のときに学んだベクトルの大きさについて復習しておきましょう。
2変数のベクトルの大きさはこのように定義されるのでした。
\begin{array}{r}
a_1\\
a_2 \\
\end{array}
\right]\)とすると
\[|\textbf{a}|=\sqrt{a_1^2+a_2^2}\]
それぞれの成分を2乗して平方根を取ればいいということですね。
これは直角三角形の斜辺の長さを求める3平方の定理から理解することが出来ます。
3変数以上に拡張したらどうなるか
ではこれを3変数以上にするとどうなるでしょうか?
実は先程の2変数の時とほとんど変わらないんです。
例として次のベクトルの長さを求めてみましょう。
$$\boldsymbol{\textbf{a}} = \left[
\begin{array}{r}
-1\\
4\\
3\\
-2 \\
\end{array}
\right]$$
変数が増えても2乗して平方根を取るのは変わりません。
\[|\textbf{a}|=\sqrt{(-1)^2+4^2+3^2+(-2)^2}=\sqrt{30}\]
どうでしょう?とてもシンプルですよね!
では最後に単位ベクトルの作り方を見ていきましょう。
同じ向きの単位ベクトルへの直し方
線形代数を勉強していると「向きは同じだけど大きさを1にしたベクトル」が必要になるときがあります。
そんなときはそのベクトルをそのベクトルの大きさで割ってあげればいいだけ。
\[\textbf{e}=\frac{\textbf{a}}{|\textbf{a}|}\]
では例として次のベクトルの単位ベクトルを求めてみましょう。
$$\boldsymbol{\textbf{a}} = \left[ \begin{array}{r} -1\\ 4 \\ \end{array} \right]$$
まずは大きさを求めます。
\[|\textbf{a}|=\sqrt{(-1)^2+4^2}=\sqrt{17}\]
あとはこの大きさで元のベクトルを割るだけ。
\[\textbf{e}=\frac{1}{\sqrt{17}}\left[ \begin{array}{r} -1\\ 4 \\ \end{array} \right]\]
では今度は変数を増やしたベクトルについても単位ベクトルを求めてみましょう。
先程大きさを求めたベクトルの単位ベクトルを求めてみます。
$$\boldsymbol{\textbf{a}} = \left[
\begin{array}{r}
-1\\
4\\
3\\
-2 \\
\end{array}
\right],|\textbf{a}|=\sqrt{30}$$
大きさで割ってあげると、、、
$$\boldsymbol{\textbf{a}} = \frac{1}{ \sqrt{30}}\left[
\begin{array}{r}
-1\\
4\\
3\\
-2 \\
\end{array}
\right]$$
まとめ: 簡単なところこそしっかりと理解
- ベクトルの大きさは\(|\textbf{a}|=\sqrt{a_1^2+a_2^2+・・・+a_n^2}\)
- 単位ベクトルの作り方は\(\textbf{e}=\frac{\textbf{a}}{|\textbf{a}|}\)
今回の内容は決して難しいものではありませんがとてもよく使う重要な内容でもあります。
しっかりと理解しておきましょう!